2010年5月10日月曜日

別れの朝 (by NB)

 


「ほんとうに私を置いて行ってしまうのね。」

女の声がかすかに震えた。

「もうきっと会うこともないわ・・・。」



朝の光はもう十分明るく降り注いでいるのに、あたりはしんと冷たい。

「そんなこと言わないで。またいつか会えるよ。ボクは優しいキミのことずっと忘れない。」

少しくぐもった、湿り気のある甘い声。
ああ、そうだ。
この声が私は好きなのだ。
女はのどに熱くこみあげるものを飲み込んだ。

「ねえ。
 最後にお願いがあるの。」






「手をつないでくれる?」




さよなら。私の大好きな人。
あなたが三田に行っても、私、ずっと好きでいる。
この日のことも、ずっと覚えてる。


そして、
最初で最後のツーショット。




作り笑いには見えないわ。
私の名演技にオスカーをちょうだい。










・・・っ つかさー、
私たち、お似合いすぎじゃね?